大人が赤ちゃんのように英語を学ぶとはどういうことなのか、方法とメカニズムの話

さからわない英語学習

今回は、大人になってから赤ちゃんのように英語を学ぶ方法とメカニズムについてシェアしようと思います。



インプットの仕方が重要

大人になってから、赤ちゃんのように言語を学習する方法に関してあまり詳しく取り上げられることがないので、簡単に説明してみようと思います。


で、結論から話すと、赤ちゃんのように学ぶ方法とはどのようなものかというと、

「大量のリスニング+大量のリーディング」(+単語に触れていく)

自然と言葉が出てくるようになる、です。


ただ注意をしていただきたいのが、「赤ちゃんのように英語を学ぶ」と聞くと、スピードラーニングのように、聞き流すだけで英語ができるようになる、と勘違いする人も多いんですが、そういうことではないんですね。

すなわち、「赤ちゃんのように言語を学ぶ」時の鍵となるのは、インプットの仕方であると言えます。



理解ができるインプットを増やす

じゃあ、どんな方法なのかというと、『以前にこの記事で説明した』言語学者のStephen Krashenのいう「comprehensive input」を通して言語を学ぶ、ということなわけです。

たとえば、まったく言葉が話せなったとしても、絵本などのイラストと一緒に言語を聞けば、なんとなく相手が言いたいことがわかると思います。

「お、なんか慌ててるな」「お、泣いてる」「喜んでる」とかそういう感じです。

つまり、「赤ちゃんのように言語を学ぶ」時には、Comprehensive inputのような「何を伝えたいのか」というメッセージを理解していくインプット、「理解ができるインプット」が言語を習得する上で重要だ、という考え方があるわけですね。

そういうインプットを繰り返すことで、だんだん理解できるようになっていく、と。


全く言語がわからない状態から聞き流しをしても言語を習得できないのは、この「理解ができるインプット」の存在を忘れているからなんですね。




で、高城剛さんの『21世紀の英会話』では、以下の点が重要だと言っています。

・子供、というより赤ちゃんの頃、英語でも日本語でも言葉を習うときに、基本的に誰かと一対一だったはずです。
・この一対一という環境が想像以上に重要で、語学力を短時間で飛躍的に伸ばす環境なのです。 

21世紀の英会話


これの理由としては、この理解ができるインプットの方法の一つとして挙げられるのが、一対一の関係を築くということだからじゃないかな、と予想しています。

というのも、子どもの頃、私たちが言語を学ぶときに、「聞き流していた」というより、「誰かに物を指をさして話してもらったり、絵本を読んでもらったりしていた」はずです。

車を指差して「車っていうんだよ〜」とか、犬を指差して、「ワンワンだね〜」と言われながら育ったみたいな感じですね。

だから、一対一の関係を築くことで言語を習得しやすいと考えたのかな、と。



具体的な時間と方法の例

じゃあ、「理解ができるインプット」を通して学習した場合、具体的にどのくらいで話せるようになるのか?ということに関して見ていきましょうか。


この点に関しては何十か国語も話せる言語学者のSteve Kaufmannさんの『3 Stages of Language Acquisition – How Long Does it Really Take』の動画でどれくらいで話せるようになるのか、を自身の経験をもとにという説明をしてくれています。

彼の学習スタイルは、最初に説明したような、
「大量のリスニング+大量のリーディング」(+単語に触れていく)

自然と言葉が出てくるようになる、です。



で、動画の内容を簡単に説明すると、言語習得には3つの段階があって、

ステージ1:言語につながるステージ。複数の短い簡単な物語(絵本など)をたくさん何回も聞いて、読む(言語によるけど、60〜90時間くらい)

ステージ2:言語に慣れていくステージ。引き続きたくさんの物語を聞く。単語に関しては会話などのものに触れるのもあり。

ステージ3:興味あるものを引き続き、聞いて、読んで、知らない単語を集める(終わりはない)

といった感じです。


そして、言葉が話せるようになるのは、ステージ2くらいからで、十分な単語を知っていて、言語に対して心地よく感じたら、自然と話せるようになるそうです。

なので、「赤ちゃんのように言語を学ぶ」時に、もしスピードラーニングのような教材を使うなら、ステージ2に入ってからで、なおかつ、聞き流すだけではなく単語の理解も必要というわけですね。

音声だけ、文字だけで理解できるようになっていった時に、スピードラーニングがいいか悪いかはさておき、音声だけの教材を聞くのは一つの手としてあると。



ただ語彙の習得に関しては、少しややこしいところもあるので、また別の機会で話そうと思います。



英語教育の問題点

このことがわかると、日本の人が英語が苦手な理由がわかってくると思います。

学校の英語教育では、理解ができてるかを「翻訳」でチェックする傾向がありますよね。

単語の意味、文章の意味を本当に理解してるかを確かめる方法として、「この文を訳しなさい」という風にしてるわけです。

というのも、学校では成績をつけなければいけないので、「理解できた?」「できた」じゃあ、確認のしようがない、と。



で、高城剛さんの本では、日本の英語教育の歴史を紐解いたあとに、問題点を以下のように指摘しています。

・大前提としての僕なりの一つの回答は、「会話」から始めずに「読み書き」から英語を始めることにあると思います。
・これは、英語に限らず、どんな言語でも同じで、人間の成長に即した「何かを覚える」脳の発達の仕方にもよると思いますが、あたらしい「何か」は、まず「体感」すること、すなわち読み書きの前に「会話」を徹底的にすることが、大事なんだと思われます。

21世紀の英会話

ようするに、日本の英語教育において、人が何かを学ぶ、という脳の仕組みとして「体感すること」が欠けていることが大きな原因であると。



その上で言語を学ぶ順番として、

英語をこれから習得しようとする人は、今からでも遅くはありません。この耳→口→目(読み)→最後に文法の順番で進めれば良いのです。

21世紀の英会話

と話されています。


高城剛さんの場合は、「会話」を早い段階で持ってきていますが、言語学者のSteve Kaufmannさんとの共通点として、「ステージ1:言語とつながるステージ」のはじめはたくさん聞いて、読んで、言語を体感することがあります。

つまり、「赤ちゃんのように言語を学ぶ」には、体感はすることが大切なわけです。



話し始めるタイミング

で、話し始める段階に関しては、早いうちに始めてもいいんですね。

高城剛さんは話し始めることを早い段階で持ってきていますし、Steve Kaufmannさんもステージ1の段階で、したかったら講師と週一で会話してもいいと言ってます。


私の経験からも言えることは、全く話せないし、聞き取れないけど、話す機会があった、という経験がなければ、「英語がもっとできるようになりたい」とは思わなかったということです。


つまり、強制はないけど、どこかのタイミングで「話す」ということを経験しておくのは十分プラスになりえる、ということですね。



まとめ

今回は、赤ちゃんのように言語を学ぶメカニズムと具体的な方法に関してシェアしました。


大人になってから赤ちゃんのように言語を学ぶには、「comprehensive input(何を伝えたいかを理解するインプット)」を中心として言語を体感する、ということが欠かせないという話でした。


結局、自分にあった学習方法を選べばいいんですが、大人になってから赤ちゃんのように言語を学ぶ方法に関してはあまり話されることがなかったので、取り上げてみました。


ではでは〜。

コメント

タイトルとURLをコピーしました