うつ病は、あなたに「なにかを伝えようとしている」話

生きやすくなるかも
This could be why you're depressed or anxious | Johann Hari

今回は、Johann HariさんのTED talkをもとに、「うつ病や不安の原因は、自分らしく生きようとするから」という話をしようと思います。

 

 

This could be why you're depressed or anxious | Johann Hari

This could be why you’re depressed or anxious | Johann Hari

 

どんな風に生活しているか、がうつ病の原因

 

科学的に証明されている「ほとんどのうつ病や不安の原因」は、「どんな風に生活しているか」にあるというのです。

 

たとえば、
「寂しい」なら、気分が落ち込みやすくなる。
「仕事場に行って、言われたことだけをしていた」ら、気分が落ち込みやすくなる。
「自然に触れない」と、気分が落ち込みやすくなる。
のように、「どんな風に生活しているか」が大きく影響する、と。

 

 

「ちょっと待って。でも、テレビとか本にも書いてあるように、
遺伝子とか生まれながらにして、うつ病になりやすい人とかいるんじゃないの?」

と思う人もいるでしょう。

 

遺伝子とかはあんまり関係ない

 

Johann Hariさん自身、長い間うつ病になっていたことから、「うつ病がなぜ起きるのか」に関して調べ始めたそうです。

 

で、科学的にわかっていることとしては、「うつ病の原因は9つ」あります。

 

9つ中2つは、たしかに生態的な要因であるというのです。

 

たとえば、

  • 遺伝子的にうつ病や不安に敏感な人
  • 脳はなかなか落ちおこんだ状態から抜け出すのが難しい

などです。

 

 

ですが、重要なのが、身体の要素が「うつ病や不安を引き起こす原因ではない」というのですね。

 

 

ようするに、

「『遺伝子が…』とか、『脳のこの部位が…』とか、
そういったのはたしかに重要な要素で、
うつ病や不安を引き起こすのに関係してるんだけど、正直言って稀なんだよね。
むしろ、どんな風に生活を送っているかの方が、重要なんだよね。」

ということです。

 

「身体が必要なモノ」と「精神的に必要なモノ」が重要

 

じゃあ、

「どんな風に生活するのが大事なの?」
「わたしたちの生活する上で、生活に必要なものってなんなのか?」

という話になります。

 

まずは、

  • キレイな空気
  • 食べ物
  • 住む場所

など、人が生きていく上で、「体が必要とするモノ」

 

 

そして、今挙げたような「体が必要とするモノ」だけでなく、
「心理的に必要とするモノ」も満たす必要があるわけです。

たとえば、

  • 「居場所がある、と感じれること」
  • 「自分の人生には意味や目的があるんだ、と思えること」
  • 「周りの人が、あなたの存在をみてくれること、価値がある人だと思ってくれること」
  • 「納得のいく将来がある、と思えること」

などです。

 

 

で、今の時代は、昔に比べて「体が必要とするモノ」が手に入りやすくなった、一方、「心とか精神的に必要なモノ」が満たされづらくなっているわけです。

 

「弱い人間」だから「うつ病」になるのではない

 

Johann Hariさんによると、

「WHOは何年間も科学的根拠をもとに、『精神的に必要なモノ』の重要性に関して説明している。」

そうです。

 

2017年のWorld Health Dayに、国連の主要な医者の1人も、

「わたしたちは、化学物質のバランスがおかしいことではなく、
生活のバランスがおかしいことについて話し合うべきだ」

という声明を出している、と。

 

ようするに、

・気分が落ち込んでしまったり、
・憂鬱に感じたり、
・不安に感じる
ことがあるんだったら、
それは「あなたが弱い人間である」とか「あなたは狂っている」とか、
そういうことじゃないよ。

「精神的に必要なモノ」が満たされてないからなんだよ。

ってことです。

 

うつの人に必要なのは、根底の「寂しさ」の解決

 

で、Johann Hariさんは、「落ち込んでいる人」や「憂鬱に感じている人」に必要なのは、

「これはお前の問題なんだから、自分で解決しろよ」

というスタンスではなく、

「わたしたち、グループとして、あなたと一緒に協力をしながら、
このことに関して理解して、この問題をこえていこう」

というスタンスだ、といっているんですね。

 

ここで注意していただきたいのが、

「抗うつ剤」がダメだ、と言っているのではないのです。

 

たしかに「抗うつ剤」は安定をくれます。
しかし、「抗うつ剤」を渡して、「はい、じゃあ、あとは自分でどうにかしてね」っというやり方に問題があるわけです。

 

 

ようするに、「お前、うつ病なんだろ?はい、抗うつ剤。」
みたいに、とりあえず、脳内の足りてない物質を補う薬を出しちゃう、のではなく、
「もっと根本的な問題を解決しないと、結局のところうつ病は治らないよね」ということです。

 

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具体的に「うつ病」と向き合う方法

Photo by Markus Spiske temporausch.com from Pexels

じゃあ、結局どうすればいいの?という話になります。

 

ここまでをまとめると、

  • 「うつ病や不安の原因は、わたしたちがどう生活するか、にある。」
  • 「それは、水や食べ物といった「身体が必要とするモノ」だけを満たすのではなく、居場所があると思えることなど「精神的に必要なモノ」も満たす必要がある」
  • 「たしかに遺伝子などの生まれながらや、身体の仕組みとして、気分が落ち込みやすかったり、不安に感じやすいことも事実だ。しかし、脳内の化学物質を調整することだけが要因ではなく、ほとんどの場合、生活のバランスを調整することが重要だ。」

です。

 

この「結局どうすればいいの?」に関して、
Johann Hariさんは、彼の本の中で取り上げた2つの方法をシェアしています。

 

  • 1つ目は「自分らしくあるな。”わたしたち”になれ。」
  • 2つ目は、「うつ病は、なにかを伝えようとしている」

 

自分らしく生きようとすると、「寂しく」なる

 

「自分らしく生きよう」

というコトバがありますが、
これは「うつ病や不安」にはあまり効果がありません。

 

なぜかというと、生活のバランスに関する事実として、
Johann Hariさんは

「わたしたち人類は、歴史上、もっとも寂しい社会に生きている」

と言います。

 

 

「ヒト」は、身体上そこまで強い生き物ではありません。
脚は速くないし、大きくもありません。

 

しかし、部族として「団結すること」で、強いわけです。
「団結すること」で、大きな動物や、速い動物に対処してきた、と。

 

そして、「今の時代」は、人類ではじめて、「団結することをやめた」時代なのです。

 

自分と周りを分けると、団結の感覚が薄くなる

 

「自分らしく生きよう」というのは、まさに「自分」と「周り」を分ける表現であり、
むしろ「寂しく」感じてしまいます。

 

「他人を気にせずに、他人のコトバに惑わされず、
自分のしたいように、自分の生きたいようにしよう!」

というのが、「自分らしく生きよう」というコトバです。

 

ですが、「寂しく感じるとき」は、「他人とつながっている感じがしないとき」です。

 

 

つまり、「わたしはわたし!」という考え方は、自分の意思を持って生きる上で、たしかに重要なのですが、

「わたし」と「周り」を分けるのは、人類、ヒトが生き抜いてきた過程において、
周りとのつながりを薄くしてしまい、「団結する」という行動の真逆をいくわけです。

 

 

ようするに、

「わたしは周りと同じじゃない。わたしは周りとは違うんだ。
わたしはわたしらしく生きる!」

と考えることで、「自分と周り」を分けて考える。

分けて考えるというのは、「わたし」と「周り」の違いを探す行為、になります。

そして、「違い」ばかりに注目してしまうと、

  • 「自分は”〇〇(ここが周りと違う。)だから”、周りに溶け込むことができない」
  • 「自分は”〇〇(この考え方が社会には合わない。)だから”社会に不適合だ」

のように考えてしまうのです。

 

自分らしくあるな。”わたしたち”になれ。

 

では、どうすればいいか、というと、

「自分らしくあるな。”わたしたち”になれ」

です。

 

つまり、「グループの1部、グループの1員として生きよう」ということです。

 

 

たとえば、

  • 「”自分が”どれだけ不幸であるか」
  • 「”自分が”どれだけ苦しいか」

ことについて話すのは重要ですが、

「精神的に必要なモノ」を満たす上では、「”みんなで”すること」が重要になるわけです。

 

  • 「”みんなで”料理をする」
  • 「”みんなで”畑をする」
  • 「”みんなで”演奏をする」

そういった「みんなでできること」を実践していくことで、”自分”に注目することをやめれる。

 

 

ようするに、「”みんなで”何かを成し遂げることによって、知らない間に『団結』する。
そうすれば、『自分と周り』を分ける必要がなく、他者とつながっている感覚を得られる。
”みんなで”なにかをすることは、自分と他者をわけずにすむ」
ということです。

 

うつ病はなにかを伝えようとしている

 

2つ目は、うつ病はなにかを伝えようとしている、です。

 

どういうことかというと、

  • 「ジャンクフードを食べていたら、病気になる」

ように、

  • 「よくない考え方をしていたら、”精神的な病気”になる」

ということです。

 

 

哲学者は、何千年間も

「人生をお金、地位とか、自分がどれだけ裕福かを見せつけることだけ、
だと思っていたら、自分がゴミみたいに感じる」

といってきました。

 

 

 

で、このことに関して、イリノイ州のKnox大学にいるTim Kassarさんは約30年間研究をしていて、その研究結果から

「悲しみから逃れるために、『たくさん買い物や見せつけるほどいい人生になる』と”信じていればいるほど”、より落ち込んだり、不安に感じやすくなる」

といっています。

 

 

 

まぁ、今の時代、広告やテレビをみていれば、「買い物がヒトを幸せにする!」「SNSの人気がヒトを幸せにする!」と考えてしまうのも仕方がないのですが、
「ジャンクフードを食べていれば、生きていける」けど、栄養素は満たしませんよね。

 

それと同じで、”間違った考え方”は、「精神的に必要なモノ」を満たしません。

 

 

人生において重要なものを見逃してしまう設計の中で生きている

 

「てか、そんなの当たり前じゃね?でも、なんでそれに気づかないんだろう?」

と思うかもしれません。

それに対して、Tim Kassarさんはこう答えます。

Because we live in a machine that is designed to get us to neglect what is important about life.

 

つまり、彼がいっているのは、

「わたしたちは、マシーンの中に生きている。
それはどんなマシーンかっていうと、わたしたちが人生において重要なモノをほったらかしにするように設計されてるマシーンなんだよ。」

ということです。

 

人生において重要なモノとはなんなのか?

 

じゃあ、「人生において重要なモノ」ってなんなのか?

それは

「『人生に意味や目的がある』って思える瞬間を思い出して、それをやること」

だというのです。

 

 

『人生に意味や目的があると思える瞬間』は、「音楽を演奏すること」「本を書くこと」「誰かを助けること」などかもしれません。

 

 

ようするに、

「わたしたちの世界は、『もっとモノを買うと幸せになるよ!』『もっと高い地位を得ると幸せになるよ!』のような、広告、映画、本で溢れていて、それが一番目につくようになっている。

だから、『音楽を演奏するのが自分を幸せにする』って知ってるのに、『あれ?本当はモノを買うこととか、高い地位を得ることが重要なんじゃない』とか考えちゃうんだよ」

ということです。

 

人生において楽しいに注目するだけで変化がある

 

このことに関して、実際に研究で、友人や家族を集まってもらい、
「人生に意味や目的を感じた瞬間」を考える、ということをしてもった、と。

 

 

そして、「どうすれば、”世の中で大事だと言われていること”ではなく、「音楽の演奏」や「本を書くこと」など、「自分が人生に意味や目的を感じる行動」にもっと時間を費やすことができるか?」という質問が与えられました。

 

 

で、どうなったかというと、

  • 実際に集まる
  • 自分が大切だと思うことの価値観をはっきり言うこと
  • 行動をする決心をすること
  • うまくいっているかチェックし合うこと

だけで、大きく彼らの価値観に変化があった、というのです。

 

 

ジャンクフードのように、”間違った食べ物”を食べるのではなく、
「憂鬱になりやすい情報」や「落ち込みやすい考え方」から離れて、
自分が楽しいと感じる価値観を育てることで、元気になった、と。

 

 

ようするに、

「うつ病や不安」は、脳や体がうまく機能していないのではなく、

「あなたが狂った人間」だとか、「あなたがおかしな人間」だとかいっているのではなく、

なにかを伝えようとしているわけです。

 

まとめ

 

今回は、科学的な視点から、うつ病をなおすには、

「精神的に必要なものを満たす重要性」を説明しました。

 

わたし自身、うつ病がなにかを伝えようとしている、と言うのはその通りだと感じます。

やっぱり「自分が納得していないこと」をしていたり、「嫌々やっている」と落ち込みやすくなります。

 

「なにが重要なのか」のような「考え方」を見直したり、

「楽しいことを気軽にやってみて、感情の変化をみてみること」はやはり重要なように感じます。

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